呼吸の料理について​

素材の声に耳を傾ける
作る人の呼吸を頼りに
素材の力を引き出す呼吸の料理。

呼吸の料理。

きっと初めて聞くと思います。

一言で言うと、素材の持っている力を引き出す調理方です。しかも、特別な器具を必要とせず、特別な知識もいらない。素材があって、あなたがいれば、今日から誰でも気軽に始められます。しかも、素材を活かす事が出来るようになると、レシピもいらなくなってしまいます。

え?ホント??って思うかもしれませんが、フレンチやその元になったイタリアンなんかでも、特別な味付けなんてほとんどなく、どうやって素材の味を引き出すか、それをレシピと呼んできたのです。今でいうレシピのようにバリエーションや調理の方法は、ちゃんと素材が教えてくれます。

そんな気楽な、自分で頑張らない料理の世界へ、あなたをご案内します。

僕らは何の為に食べているのだろう??

でも、呼吸の料理の説明に入る前に、あなたは毎日の食事を何の為に食べているのか、自分に質問して見て頂けないでしょうか

・生きる為?
・美味しいと言う快楽を味わいたい為?
・友達や家族、愛する人々との交流の場を持つ為?
・料理を作るのが楽しいから?

きっと様々な答えがあると思います。

もしかしたら、食べ物も水も豊かな国に生まれて、今までこんな事を考える必要がなかったかもしれません。もしかしたら、特定の時間になると、なぜかわからないけど何か食べようとか、食べなくちゃと言う気持ちに後押しされて、習慣で食べてるだけの方もいらっしゃるかもしれません。

活力になる料理。

考えたことがある方も、ない方も、どれが正解というものはなく、人によって食べる事情は多種多様にあるんですね。

その中でも、今回は呼吸の料理という事なので、仮に、「生きる為に食べる」という事についてみて行きましょう。人間なら、動く為にはエネルギーが必要だから、そのエネルギーを食べ物から摂るってとっても純粋で身近な動機ですよね。

そう考えると、素材自体に活力があって、それを使った料理全体が活力に溢れ、食べた人も活力を頂けるような料理があれば、毎日がエネルギッシュになりそうですね。しかも、そんな料理を自分で作ることができれば、誰かを勇気付けてあげることだって出来そうです。

エネルギッシュな料理のコツ。

そんな料理の秘訣は素材にもあるわけですが、スーパーで売っているような普通の野菜でも活力がある料理ができたら、いいと思いませんか?

もちろん農業を応援することも大切なので、自分で気持ちや経済的な面で余裕があって応援できる時、自分が必要としている時には、良い野菜を選択することも大切ですが、初めの一歩は、気軽に取り組めて、頑張らない方が長く続けられます。

食は長く続けられる取り組みが大切です。だから、毎日の料理にはもっとシンプルなエッセンスが必要です。誰でも今日から、冷蔵庫を開けてすぐに取り組めるようなシンプルなエッセンスが。

そのエッセンスの一つが呼吸の料理なんですね。

畑の採れたて野菜は最もエネルギッシュ。

呼吸の料理を、もう少し具体的に言えば、誰もが普段している呼吸を使って、味の加減や、火の入れ加減を見る方法でもあります。

呼吸が深くなる加減で調理や調味した料理は、自然と美味しく、ココロやカラダに響くような風味に仕上がります。難しいことをしなくても、呼吸を使って、素材が美味しくなるタイミングをきけば、自然と料理は美味しく、活力良く仕上がります。

呼吸の料理は、誰にでもできます。2010年くらいに「野菜の声をきく料理教室」として呼吸の料理を公にお伝えし始めた際には、参加された普通の会社員の方でも、素材に入れる調味料の加減で自分の呼吸が変わっていくのがわかり、驚かれていました。

呼吸の料理をしていくと、どんな食材にも、食べられて生命を人につないでくれる、自然界の大きな循環の中での調和や愛があるような気がしてきます。ものでなく、生きた生命として素材を見て、素材との共同作業をする呼吸の料理。少なからずみなさんのお役にも立ちますように。